東洋医学の健康診断・制作途中

当院でお渡した『体質判別チャート』は、ご利用いただけましたか?
簡単な100のクエスチョンから、当てはまるものを選択すれば、東洋医学における体質診断ができます。現代医学では、触れることのないあなたの体質の傾向がわかります。
日常生活の中でどんな事に気を配って過ごせばいいのか参考になると思います。もちろん鍼灸治療や漢方薬の処方にも有効です。『体質判別チャート』の体質円グラフが完成したら、次回の診療の時に必ずご持参ください。あるいは円グラフの写真を送っていただいても結構です。また、舌の観察項目など自分で判断できない場合は、こちらで診ますので空けておいてください。
作成した人
中野 保
二天堂鍼灸院 院長
行岡鍼灸専門学校卒業後に北京堂鍼灸・浅野周先生に師事。2001年に独立し二天堂鍼灸院を開院。2007年に炎の鍼灸師・養成講座(現在のほのしん講座)を開校し、未来の鍼灸師の育成にも力を入れています。2018〜19年に 『医道の日本』誌に治療法連載。
ほのしん講座のTOPページはこちら二天堂鍼灸院のwebサイトはこちら

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体質判別チャートとは

体質判別チャートとは?


体質判別チャートでは、東洋医学の代表的な8つの体質をピックアップしています。そのベースには、陰陽五行、五臓六腑、気血津液(き・けつ・しんえき)等の東洋医学独特の考え方があります。例えば漢方薬を処方するなら、さらに細分化し専門性の高い診断を行いますが、ここではそれが目的ではありません。もう少し大きな枠での体質と傾向をつかんでいただき、日常生活の中での養生法を解説しています。

体質判別チャート

体質判別チャート

体質判別チャート

脾虚

脾虚とは?

脾虚(ひきょ)は、漢方医学において消化器系の機能が低下した状態を指します。東洋医学の「脾」は現代医学の脾臓とは異なり、主に胃腸の機能のことを意味します。脾虚は胃腸が弱く、食物をエネルギーに変換するのが難しくなるため、疲れやすく、消化吸収がうまくいかないなどの症状が現れます。 脾虚の症状には、食欲不振、下痢、体のだるさ、倦怠感、むくみ、冷え性、ニキビやあざができやすいことなどがあります。また、少しの活動でも疲れやすくなり、気圧変化による頭痛や鈍痛を感じることもあります。 脾虚は湿気や冷えによって胃腸に負担がかかることが原因とされ、日本の高湿度な気候も影響します。生活習慣としては、よく噛んでから飲み込むことや寝る直前に食事をしないことが推奨されます。

脾虚の主な原因

1:体質的要因: 元々胃腸が弱い体質の人は脾虚になりやすい傾向があります。

2:飲食の乱れ: 過食や不規則な食生活、冷たいものの過剰摂取などが脾の機能を低下させます。

3:過労: 肉体的・精神的な過度の疲労は脾の精気を消耗させます。

4:長期の病気: 慢性疾患により脾の機能が衰えることがあります。

5: 環境要因: 湿気の多い環境や寒冷な環境に長くいることで脾陽が損なわれます。

6:ストレス: 過度の思考や心配事は脾の機能を弱めます。

7:不適切な治療: 寒涼な薬剤の過剰摂取など、誤った治療により脾を直接損傷することがあります。

8:加齢: 年齢とともに脾の機能が低下していく傾向があります。

これらの要因が単独または複合的に作用して、脾の気が虚弱になり、消化吸収機能や気血生成機能が低下した状態が脾虚です。日常生活での養生や適切な漢方治療により、脾の機能を改善することが可能です。

脾虚の人の特徴

1:顔や体のむくみ:余計な水分が体内にたまりやすく、顔や体がむくむ傾向があります。

2:顔色:脾虚の人は、気や水のバランスが崩れているため、顔色が悪くなることがあります。

3:皮膚の状態:ニキビやあざができやすくなります。これは、脾虚により体の気が不足し、自律神経のバランスが崩れることが原因の一つと考えられます。

4:体型:明確な記述はありませんが、消化機能の低下により、やせ型になる可能性があります。

5:全体的な印象:疲れやすく、だるさや倦怠感があるため、活力が低下しているように見えることがあります。  

6:のんびりした印象:脾虚(熱)タイプの人は、おおらかな性格ののんびりやさんという特徴があります。

7:気分の変化:不調が出ると気分が落ち込み、考えすぎて心配性になる傾向があります。これが表情や態度に現れる可能性があります。

脾虚の外観的特徴は個人差があり、すべての特徴が同時に現れるわけではありません。また、これらの特徴は他の要因によっても引き起こされる可能性があるため、総合的な診断が必要です。

脾虚の人がなりやすい病気

1:内臓下垂:胃下垂、腎臓下垂、子宮下垂などの内臓が下垂する傾向があります。

2:消化器系の不調:慢性胃炎、慢性腸炎、下痢、便秘など胃腸系の病気が見られます。

3:低血圧や立ちくらみ:気力が不足することで低血圧や立ちくらみを引き起こしやすくなります。

4:疲れやすさと免疫力の低下:全身のエネルギーが不足し、疲れやすく病気に対する抵抗力が弱くなります。

5:後鼻漏と呼吸器系の問題:脾虚が原因で肺の機能が低下し、咳嗽や痰、息切れなどが起こりやすくなります。

脾虚の養生法

脾虚の養生法

脾虚を防ぐための生活習慣には、以下のような対策が有効です。

1:食事管理: 消化器系に負担をかけないよう、冷たい食べ物や飲み物を控え、温かい食事を心掛けましょう。特に生姜やネギ類、根菜など体を温める食品を積極的に摂取することが推奨されます。
 
2:十分な休息:十分な睡眠と休息を取ることが重要です。これにより基礎代謝が向上し、胃腸機能が整いやすくなります。      
3:適度な運動:日中に適度な運動を行い、体内の「気」を増やすことで、体力を維持しましょう。

4:衣服の選択:腹巻きやレッグウォーマーなどで体を温めることも効果的です。

 これらの生活習慣を取り入れることで、脾虚の予防や改善に繋がります。

脾虚の漢方薬

【六君子湯(りっくんしとう)】 ツムラ43
食欲不振や胃もたれなどの消化器症状に効果があります。

【人参湯(にんじんとう)】ツムラ32  
体力低下や冷えを伴う消化器症状に用いられます。

【補中益気湯(ほちゅうえっきとう)】 ツムラ41
疲労感や食欲不振、胃腸の働きの低下に効果があります。 

【四君子湯(しくんしとう)】ツムラ75
消化吸収機能の低下による症状に用いられます。 

【真武湯(しんぶとう)】ツムラ30
寒さを伴う消化器症状に効果があります。

【帰脾湯(きひとう)】 ツムラ65
体力低下や胃腸虚弱による疲労に用いられます。

【平胃散(へいいさん)】
消化不良や食欲不振に効果があります。

 これらの漢方薬は、脾虚の様々な症状に応じて使い分けられます。ただし、個人の体質や症状によって適切な漢方薬は異なるため、専門医や薬剤師に相談の上で選択することが重要です。

腎陽虚

腎陽虚とは?

腎陽虚(じんようきょ)は、東洋医学における腎の機能が低下し、体を温める陽気が不足した状態を指します。これは、腎のエネルギーである腎気が不足し、特に体を温める力が弱くなることから生じます。必ずしも腎臓の病気とは限らず、東洋医学の「腎」は単なる腎臓だけでなく、泌尿・生殖器系や恒常性を司る自律神経系、内分泌系、免疫系の機能を含む概念です。また先天的な生命力(腎気)をたくわえる場所とされ、成長、発育、生殖と関係しています。

腎陽虚の主な原因

1: 先天的要因
・発育生まれつきの虚弱体質

2:後天的要因:
・過労やストレス
・長期の慢性病
・老化
・性生活の過多
・寒冷な環境への長期曝露

3:生活習慣
・冷たい食べ物や飲み物の取りすぎ
・体を冷やす食生活
・エアコンの使いすぎなど体を冷やしすぎる生活

4:その他
・飲食の失調

腎陽虚は、これらの要因によって腎の温める作用(陽気)が不足した状態を指します。先天的な要因に加え、日々の生活習慣や環境要因が大きく影響するため、生活改善によってある程度予防・改善が可能な体質であると考えられています。

腎陽虚の人の特徴

1:顔色が青白い

2:体型が華奢で痩せ型の傾向がある

3. 皮膚はポチャポチャとしていることがある

4. 髪が細くて薄い

5. 若白髪が目立つ

6. 顔にややむくみが見られる

7. 全体的にボテッとした印象を与える

8. 色白で体力がなさそうに見える

9. 手足が冷たく感じられる

10. 腰や足腰に力が入らず、だるそうに見える

これらの特徴は、腎陽虚による体内の「熱」や「エネルギー」の不足を反映しています。腎陽虚の人は、全体的に活力が乏しく、冷えやすい体質であることが外見からも伺えます。ただし、これらの特徴は個人差があり、すべての症状が同時に現れるわけではありません。また、外見だけでなく、頻尿や夜間頻尿、性機能の低下などの機能的な症状も併せて考慮する必要があります。

腎陽虚の人がなりやすい病気

1:排泄系の問題
・前立腺肥大、慢性腎炎、下痢・便秘症

2:泌尿器系の問題
・頻尿 、夜間頻尿、残尿感、軽い尿漏れ

3:冷えに関連する症状
・冷え性、浮腫、甲状腺機能低下症

4:アレルギー関連
・花粉症、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎

5:骨・関節の問題
・骨粗鬆症、関節の脱臼、椎間板ヘルニア

6:その他の症状
・耳や髪の異常 、めまい 、耳鳴り

7:性別による症状の違い 
・女性:月経痛、月経不順、不妊症 
・男性:ED(勃起不全)

腎陽虚の養生法

腎陽虚の養生法

腎陽虚の養生法は、体を温め、腎の機能を補うことに重点を置いています。以下に具体的な方法を紹介します。

1:体を冷やさない:冷えを防ぐために、薄着を避け、特に冬には腰やお腹を温める工夫をしましょう。夏でも冷房の使い過ぎに注意し、冷たい飲食物は控えます。
  
2:温かい食事: 食事では、体を温める食材を選びます。鶏肉、羊肉、エビ、生姜、シナモンなどが推奨されます。逆に冷たいものや生ものは避けましょう。
  
3:適度な休息:過労は禁物です。体力を回復するために、質の高い睡眠と適度な休息を心がけましょう。

4:漢方薬の利用:必要に応じて漢方薬を取り入れることも有効です。鹿茸や海馬などの生薬が腎陽虚に効果的とされています。

 これらの方法を実践することで、腎陽虚による冷えや倦怠感などの症状を和らげることが期待できます。

腎陽虚の漢方薬

【八味地黄丸】  八味地黄丸は腎陽虚の代表的な漢方薬です。
・8種類の生薬で構成されています
・体を温め、新陳代謝を促進します
・頻尿、尿もれ、残尿感などの排尿トラブルを改善します

【牛車腎気丸】  牛車腎気丸は八味地黄丸をベースに、さらに2つの生薬を加えた処方です。
・10種類の生薬で構成
・八味地黄丸よりも利水作用が強化されています
・下半身の浮腫や痺れに効果があります 

血虚

血虚とは?

血虚(けっきょ)とは、漢方医学における概念で、体内の「血」が不足している状態を指します。ここでの「血」は、単なる血液だけでなく、身体を滋養し、精神活動に関与する栄養素やホルモンを含む広範な概念です。また、女性に多く見られ、生理不順や貧血などの症状も伴うことがあります。 

血虚の主な原因

1: 不規則な食生活や偏食:特に女性の場合、無理なダイエットが引き金となることがあります

2:栄養不足:消化機能が弱く、食べ物から十分な栄養が吸収されにくい状態。

3:血の過剰消耗:長期の病気 - ストレスなどによる精神的な消耗 - 過労

4:月経過多や慢性的な出血性疾患

5:長時間の激しいスポーツ

6:生活習慣の乱れ:不規則な生活リズムや睡眠不足なども影響します。

7:加齢による造血機能の低下

これらの要因により、体内の血(栄養)が不足し、様々な症状が現れる血虚の状態になりやすくなります。適切な食事や生活習慣の改善、必要に応じて漢方薬の服用などが血虚の改善に効果的とされています。 

血虚の人の特徴

顔や肌の特徴
・顔色が白く艶がない
・肌が乾燥しカサカサしている
・肌に潤いがなく、年齢の割にしわが多い
・シミやくすみができやすい

髪や爪の特徴 
・髪に潤いがなく、抜け毛が多い
・白髪が増える
・爪が割れやすい、変形しやすい

その他の特徴 
・唇の色が薄い
・舌の色が全体的に淡く、小さめ
・目が乾燥しやすい

血虚の人は、血液やホルモンの循環が悪くなることで、体の末端まで十分な栄養が行き渡らなくなります。そのため、顔色が悪く、肌や髪、爪などに様々なトラブルが現れやすくなります。これらの外観的特徴は、体内の栄養状態を反映していると考えられています。
 

血虚の人がなりやすい病気について

1:月経に関する異常
・無月経、稀発月経、月経過小症 、生理不順 、生理痛 、更年期障害

2:貧血症

3:末梢神経障害
・しびれ、麻痺

4:その他の症状
・筋肉痛、便秘症、皮膚の乾燥、かゆみ、目のかすみや乾燥、不眠、動悸、めまい、立ちくらみ、疲れやすさ

血虚の状態では、体内の栄養が不足し、様々な器異常が現れやすくなります。特に女性ホルモンと関連する月経トラブルや、末梢の血行不良による症状が多く見られます。また、新陳代謝の低下や消化吸収能力の低下により、老廃物が溜まりやすくなることも特徴です。 これらの症状が見られる場合は、漢方医学的なアプローチで血虚の改善を図ることが有効かもしれません。ただし、重度の症状がある場合は、現代医学的な診断と治療も併せて検討することが大切です。

血虚の養生法

血虚の養生法

血虚を改善するための生活習慣には、以下のようなポイントがあります。

 1. **食事の見直し**:
 - 鉄分を多く含む食材を積極的に摂取します。特にレバーや牡蠣、赤身の肉などが効果的です。
 - 黒い食材(黒豆、黒ごま、黒米)や赤い食材(トマト、ニンジン)を取り入れましょう。これらは「血」を補う作用があります。
 - 自然の甘味を持つドライフルーツ(プルーン、レーズン)もおすすめです。
 
 2. **生活習慣の改善**:
 - 規則正しい生活を心がけ、夜更かしを避けて十分な睡眠を取ることが大切です。
 - 軽い運動やストレッチを日常に取り入れ、血行を促進します。ウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。
 
 3. **その他の注意点**:
 - 偏った食事や過度なダイエットは避け、バランスの良い食事を心がけましょう。
 - ストレスを減らしリラックスするために、アロマテラピーなども活用すると良いでしょう。

血虚の漢方薬

 
 【四物湯(しもつとう)】
 - 当帰、川芎、芍薬、地黄の4つの生薬で構成される基本的な補血剤です。

 【当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)】  
 - 四物湯から地黄を抜いた処方で、胃腸が弱い人にも使いやすいです。

 【十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 】
 - 気虚と血虚の両方に効果があり、全身の体力を補います。

 【温清飲(うんせいいん)】
 - 四物湯に清熱作用のある生薬を加えた処方です。

 【 七物降下湯(しちもつこうかとう) 】
 -「気」と「血」を増やし、体内の循環を改善する効果があるとされています。
 
 【婦宝当帰膠(ふほうとうきこう) 】
 - 当帰を主成分とする補血剤です。

 これらの漢方薬は、血を補い、血の巡りを良くする効果があります。血虚の症状として、めまい、立ちくらみ、肌の乾燥、爪が割れやすい、髪が抜けやすいなどがあります。 ただし、漢方薬の選択は個人の体質や症状によって異なるため、専門医や薬剤師に相談して適切な処方を受けることが重要です。また、生活習慣の改善(十分な睡眠、バランスの良い食事など)も血虚の改善に役立ちます。 

陰虚

陰虚とは?

陰虚とは、中医学において「陰」が不足し、体内の潤いや水分が不足した状態を指します。「陰」は体を冷やし、潤す役割を持っており、これが不足すると体内の熱が過剰になり、ほてりやのぼせといった症状が現れます。これらは体内の水分保持力が低下していることに起因します。 陰虚は加齢や不規則な生活習慣、過度のストレスなどで悪化することがあります。

陰虚の主な原因

1:加齢 陰虚は中年期以降の女性に多く見られるため、加齢が大きな原因の1つと考えられています。

2:水分摂取不足 もともと水分の摂取量が少なく、体内のうるおいが足りない人に起こりやすいとされています。

3:長期間の薬の服用 長期にわたる薬の服用が原因で陰虚に陥るケースもあります。

4:ストレスや疲労 ストレスや疲労は陰の気を減らす原因となります。

5:喫煙 喫煙も陰の気を減らす原因の1つです。

6:不規則な生活習慣 早寝早起きや十分な睡眠が取れていないなど、不規則な生活習慣も陰虚の原因となり得ます。

7:過労 過労で陰液を損傷することがあります。

8:慢性病 慢性病により陰液を消耗し、生成も不足することがあります。

9:熱病後期 高熱、糖尿病、甲状腺機能亢進などの熱病後期で、陰液を消耗することがあります。

これらの要因により、体内の水分バランスが崩れ、潤いをもたらす「陰」の気が不足することで陰虚の状態に陥ります。陰虚を予防・改善するためには、これらの原因に注意を払い、適切な生活習慣や食事を心がけることが重要です。
 

陰虚の人がなりやすい病気について

1:乾燥関連の症状
・皮膚の乾燥、口腔粘膜の乾燥、鼻の粘膜の乾燥

2:呼吸器系の問題 
・のどのイガイガ感、咳(特に乾いた咳)

3:消化器系の問題
・便秘

4:循環器系の問題
・動脈硬化(特に糖尿病患者の場合)

5:神経系の症状
・不眠、イライラ

6:体温調節の問題
・のぼせ、ほてり、寝汗

7:その他の症状
・口臭、虫歯、目の乾燥、髪の乾燥

注意点: 陰虚体質の人は、これらの症状や病気になりやすいだけでなく、以下の点にも注意が必要です。
・過度の運動や発汗は体調を崩す原因になりやすい
・香辛料や油っこい食べ物の摂取は症状を悪化させる可能性がある
・水分補給は大切ですが、単に水を飲むだけでは解決しない場合がある

陰虚体質の改善には、適切な食生活や生活習慣の見直し、場合によっては漢方薬の使用が効果的です。自分の体質を理解し、適切な対策を取ることが重要です。  

陰虚の養生法

陰虚の養生法

陰虚とは、中医学において「陰」が不足している状態を指します。「陰」は体を冷やし、潤す役割を持っており、これが不足すると体内の熱が過剰になり、ほてりやのぼせといった症状が現れます。

陰虚の主な症状には、口渇、寝汗、皮膚や粘膜の乾燥、のどの渇き、空咳、手足のほてりなどがあります。これらは体内の水分保持力が低下していることに起因します。

陰虚は加齢や不規則な生活習慣、過度のストレスなどで悪化することがあります。対策としては、水分補給をこまめに行うことや、潤いを補う食材を摂取することが推奨されています。また、香辛料や油っこい食べ物を控えることも重要です。

漢方薬では、地黄などの生薬が陰虚の改善に用いられます。体質改善には生活習慣の見直しも重要です。

陰虚とは、漢方医学における体質の一つで、体内の潤いや水分が不足した状態を指します。主な特徴は以下の通りです:

## 陰虚への対策

陰虚体質の改善には以下のようなアプローチが効果的です:

- 十分な睡眠と規則正しい生活リズムを心がける
- こまめな水分補給(特に野菜や果物からの水分摂取)
- ミネラル豊富な食材を積極的に摂取する
- 香辛料や油っこい食べ物を控える
- ストレス軽減と適度な休息を取る

漢方薬では六味丸や麦門冬湯などが陰虚の改善に用いられることがあります[1][4]。

陰虚体質の改善には、生活習慣の見直しと適切な養生が重要です。症状が気になる場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのも良いでしょう。

陰虚の漢方薬


 【六味丸(ろくみがん)】
 陰虚の代表的な漢方薬です。尿量を調整し、水分代謝を整えむくみの軽減などに使われます。

 【知柏地黄丸(ちばくじおうがん)】
 陰虚体質に適していて、「腎(じん)」の機能を高め、体に必要のない熱を鎮めるはたらきがあります。

 【杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)】
 疲れ目、かすみ目、のぼせ、めまい、頭重、排尿困難、頻尿、むくみなどの症状に効果があります。

 【麦門冬湯(ばくもんどうとう)】
 喉の粘膜が渇き、声がかれたり、咳が出たり、咽頭炎などのときに使われます。

 【麻子仁丸(ましにんがん)】
 腸を潤し、便秘や便秘に伴う肌の状態を改善したいときに使われます。

 注意点 陰虚によく使われる生薬「地黄」(じおう)は胃もたれしやすいので、地黄を含む漢方薬は食欲(消化機能)に問題がないかをチェックしたうえで使用します。 これらの漢方薬は、体の潤いを補い、過剰な熱を鎮める効果があります。ただし、個人の体質や症状によって適切な漢方薬は異なるため、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して、自分に合った漢方薬を選ぶことが重要です。

気滞

気滞とは?

「気滞」とは、漢方医学における概念で、体内の「気」がうまく巡らず停滞している状態を指します。「気」は生命エネルギーとして身体の機能を支え、精神状態をコントロールする役割を持っています。 気滞の症状には、精神的な不安定さ、イライラしやすい、怒りっぽい、不安や憂鬱感などがあります。また、身体的にはこめかみの痛みや乳房の張り、胃やお腹が張ってガスが溜まりやすいなどの症状が現れることがあります。 気滞を改善するためには、ストレスを溜めないよう心がけることが重要です。ジャスミン茶やカモミール茶など香りの良い飲み物を摂取したり、リラックスできる時間を持つことが推奨されています。また、肝に良い食材を摂ることも効果的です。

気滞の人がなりやすい病気について

気滞の人がなりやすい病気や症状について説明します。 #

# 精神面の症状 気滞の人は以下のような精神的な症状が現れやすくなります:

 - イライラしやすい - 怒りっぽくなる - 気分の浮き沈みが激しい - 憂鬱になりやすい - 緊張しやすい - 些細なことが気になる - 神経質になる これらの症状から、自律神経失調症やうつ病、パニック障害などの精神疾患を発症するリスクが高くなります[1][3]。

 ## 身体面の症状 気滞は身体にも様々な影響を及ぼします:

 - こめかみの痛み - 乳房の張り - 両脇の張り - 胃やお腹の張り - ガスやゲップが出やすい - 不眠 - のどの不快感 - 血圧が高くなりやすい 特に消化器系の症状が出やすく、胃腸の不調を引き起こしやすくなります[2][3]。

 ## 女性特有の症状 女性の場合は以下のような症状も現れやすくなります: - 生理不順 - 月経前症候群(PMS)の症状悪化 - 乳房の張り[2][3] ## 気滞になりやすい人の特徴 以下のような性格や傾向の人は気滞になりやすいとされています: - 完璧主義の人 - 責任感が強い人 - 几帳面な人 - ストレスをため込みやすい人 - 悩みを1人で抱え込む人[3] 気滞の症状に気づいたら、ストレス解消法を見直したり、生活習慣の改善を心がけることが大切です。また、漢方薬による治療も効果的な場合があります。

気滞の養生法

気滞体質を改善するための具体的な生活習慣は

気滞体質を改善するための具体的な生活習慣として、以下のようなものが挙げられます:

 1. ストレス解消を心がける
 - リラックスできる時間を毎日作る
 - 趣味や楽しみを持つ
 - 深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を取り入れる

 2. 適度な運動を行う
 - ウォーキングなど軽い有酸素運動  
 - ストレッチやヨガ

 3. 睡眠の質を改善する
 - 規則正しい睡眠習慣をつける
 - 寝る前にリラックスする時間を作る

 4. 食生活の改善
 - 柑橘類、ハーブ、タマネギなど香りの良い食材を積極的に摂取
 - バランスの良い食事を心がける - カフェインや刺激物を控える

 5. 入浴習慣の見直し
 - 湯船にゆっくりつかり、体を温める  
 - アロマオイルを使用してリラックス効果を高める
 
 6. 呼吸法の実践 - 朝起きたら窓を開けて深呼吸を行う
 - 日中も意識的に深呼吸を行う

 7. 環境の整備  
 - 気分の良い生活空間や人間関係を作る
 - 香りを活用し、リラックスできる環境を整える

 8. 自分の時間を大切にする
 - 毎日のスケジュールに「自分の時間」を組み込む
 - 週末だけでなく、日々の生活の中でリラックスする時間を作る

 これらの習慣を日常生活に取り入れることで、気の巡りを改善し、気滞体質の改善につながると考えられています。個人の状況に合わせて、無理のない範囲で実践していくことが大切です。 

気滞体質を改善するための具体的な運動習慣は

気滞体質を改善するための具体的な運動としては、以下のようなものが効果的です。

 1. ウォーキング - 軽めの有酸素運動として効果的 - 自然の中を歩くことでリラックス効果も得られる

 2. ストレッチ - 体の緊張をほぐし、気の流れを改善する - 特に肩や首、背中のストレッチが有効

 3. ヨガ - 呼吸法と組み合わせることで、リラックス効果が高い - 気の流れを整える効果がある

 4. 太極拳 - ゆっくりとした動きで気の流れを整える - 精神的なリラックス効果も高い

 5. 軽めの筋トレ - 適度な運動で体を動かし、気の巡りを良くする

 6. 深呼吸を伴う運動 - 腹式呼吸を意識しながら行う運動全般

 7. 気功 - 東洋医学的な考え方に基づいた運動法 8. 散歩 - 特に自然の中を歩くことで、気分転換とリラックス効果が得られる

 これらの運動は、無理のない範囲で定期的に行うことが大切です。また、運動中や運動後に深呼吸を意識的に行うことで、さらに効果を高めることができます。個人の体調や好みに合わせて、楽しみながら続けられる運動を選ぶことが重要です。 

気滞の漢方薬

気滞の治療に用いられる主な漢方薬について説明します。 ## 気滞に効果的な漢方薬 気滞は、気の流れが滞っている状態を指し、様々な身体的・精神的症状を引き起こします。以下の漢方薬が気滞の改善に効果があるとされています。

 【半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)】 ツムラ16
 - 気の停滞に働きかけ、巡りをよくします。
 - 緊張や不安、イライラなど精神的に落ち着かない症状に効果があります。

 【加味逍遙散(かみしょうようさん)】 ツムラ24
 - 気滞を改善し、ストレスを和らげる効果があります。
 - 月経不順や更年期障害にも用いられます。

 【柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)】
  - イライラや不安感を和らげ、精神を安定させます。

 【抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)】
  - 気滞による精神的な不調を改善します。

 【四逆散(しぎゃくさん)】 

 【桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)】

 気滞改善に重要な生薬 気滞の改善に効果的な主な生薬として、柴胡(さいこ)が挙げられます。柴胡は気を巡らせてストレスを発散させる働きがあります。

湿熱

湿熱とは?

湿熱(しつねつ)とは、中医学の概念で、体内に余分な水分(湿)と過剰な熱が蓄積した状態を指します。主な特徴は以下の通りです:

 1. 定義:
 - 「湿邪」と「熱邪」が合わさった状態
 - 体内に不要な水分と熱が溜まっている

 2. 主な症状:
 - 太り気味で汗をかきやすい
 - 顔色が赤みがかっている
 - 暑がりで喉が渇きやすい
 - ニキビや吹き出物ができやすい
 - 傷や湿疹が化膿しやすい - 便に粘り気があり、匂いが強い
 - 尿の量が多く、色が濃い

 3. 原因:
 - 食べ過ぎや飲み過ぎ
 - 脂っこいもの、刺激物の過剰摂取
 - アルコールの過剰摂取 - 運動不足

 4. 対策:
 - 食事量を減らし、バランスの良い食事を心がける
 - 脂っこいもの、刺激物、アルコールを控える
 - 適度な運動を行う
 - 清熱利湿作用のある食材を取り入れる(ゴーヤ、きゅうり、冬瓜など)

 5. 注意点:
 - 放置すると生活習慣病のリスクが高まる
 - 歯周病や口臭のリスクも高くなる

 湿熱体質の改善には、食生活の見直しと適度な運動が重要です。また、症状が気になる場合は漢方医学の専門家に相談することをおすすめします。 

湿熱の養生法

湿熱を防ぐための生活習慣

湿熱を防ぐための日常生活習慣として、以下のようなポイントが重要です:

 1. 食生活の改善:
 - 食事量を全体的に減らし、腹八分目を心がける
 - 脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものを控える
 - 生冷飲食(生もの、冷たいもの)を控える
 - アルコールや刺激物(香辛料など)の摂取を控える

 2. 適度な運動:
 - ウォーキング、サイクリング、スイミングなどの有酸素運動を習慣づける
 - 激しすぎない程度の運動を心がける

 3. 水分摂取:
 - のどが渇いたときに少しずつ飲むことを習慣づける
 - 清熱利湿作用のある食材(ゴーヤ、きゅうり、冬瓜など)を積極的に取り入れる
 
 4. 生活リズムの改善:
 - こまめに休息を取り、ストレスを溜めないようにする
 - 十分な睡眠をとり、体を休ませる

 5. 入浴習慣:
 - ぬるめのお湯(37〜39℃)に短時間浸かり、体温調節を助ける

 6. 衣服の選択:
 - 通気性の良い衣服を選び、体温上昇を防ぐ

これらの習慣を日常生活に取り入れることで、湿熱の蓄積を防ぎ、体調を整えることができます。特に食生活の改善と適度な運動が重要なポイントとなります。

湿熱の漢方薬


 【防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 】
 - 体内の余分な熱を取り除く - 血流や水分代謝を促進する
 - 便や汗などで老廃物を排出する 肥満傾向や便秘がある方に適しています。

 【竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)】 
 - 下腹部の不快感 - 排尿時の痛み - 頻尿 ###

 【五淋散(ごりんさん)】 
 - 排尿痛 - 頻尿 - 残尿感 ##

その他の湿熱対策の漢方薬 湿熱を改善するために、以下のような漢方薬も使用されます
 - 黄連(おうれん)
 - 黄芩(おうごん)
 - 黄柏(おうばく)
 - 竜胆草(りゅうたんそう)
 これらは「苦寒薬(くかんやく)」と呼ばれ、冷やしつつ乾燥させる効果があります。 

血瘀

血瘀とは?

血瘀(けつお)とは、東洋医学における概念で、血液の流れが滞った状態を指します。主な特徴は以下の通りです:

 1. 定義: - 血液の循環が悪くなり、体内に滞った状態 - 西洋医学でいう血行不良に近い概念

 2. 原因: - ストレス - 冷え - 運動不足 - 脂っこい食事 - 外傷など

 3. 症状: - 肩こり、頭痛 - 顔色が悪い、くすみ - シミ、あざができやすい - 月経痛、月経不順 - 固定的な痛み

 4. 診断の特徴: - 舌が紫色や暗い色をしている - 舌下静脈の怒張 - 皮膚の色が暗い

 5. 改善方法: - 適度な運動 - 身体を温める - バランスの良い食事 - ストレス解消 - 漢方薬の服用(桂枝茯苓丸など)

 6. 注意点: - 現代医学では直接的に扱われない概念 - 慢性的な不調の原因となることがある 血瘀は東洋医学の重要な病理概念の一つで、様々な症状や疾患の背景にあると考えられています。

血瘀の養生法

血瘀を予防する?

瘀血を予防するための生活習慣として、以下のようなものが挙げられます:

 1. 適度な運動を行う
 - ウォーキングやストレッチなど、体力に合った運動を定期的に行う
 - 血行を促進し、新陳代謝を活発にする

 2. バランスの良い食事を心がける
 - 野菜や果物を多く摂取する
 - 脂っこい食事や砂糖の多い食事を控える
 - 規則正しい時間に食事をとる

 3. 十分な睡眠をとる
 - 質の良い睡眠で体を休める
 - 就寝時間を規則正しくする

 4. ストレス解消を心がける
 - リラックスする時間を作る - イライラを溜め込まないようにする

 5. 体を温める
 - 入浴やマッサージなどで体を温め、血行を促進する
 - 冷えを防止する

 6. 水分補給を十分に行う
 - こまめに水分を摂取し、血液の粘度を下げる

 7. 喫煙や過度の飲酒を控える

8. 姿勢に気をつける
 - 同じ姿勢で長時間過ごさないよう心がける

 これらの生活習慣を意識的に取り入れることで、血行を促進し、瘀血の予防に繋がります。個人の体質や生活環境に合わせて、無理のない範囲で実践することが大切です。

血瘀の漢方薬


 【桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)】 
  -これは瘀血タイプの方に最もよく推奨される漢方薬の一つです[1][5]。血の巡りを良くし、手足の冷えやのぼせ、生理痛、月経不順などの症状を改善します[1]。 ###

 【桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん) 】
 この漢方薬は、滞った血の巡りを促進し、肌のターンオーバーを整えます[1][5]。特にシミやニキビなどの肌トラブルに効果があるとされています。 

 【桃核承気湯(とうかくじょうきとう)】

漢方薬の作用 これらの漢方薬は主に「活血化瘀(かっけつかお)」という効果を持ちます。これは血行を促進し、血の巡りをスムーズにする作用を指します。 

注意点 漢方薬を服用する際は、必ず専門家に相談し、自分の体質や症状に合った適切な処方を受けることが重要です。また、瘀血の改善には日々の生活習慣の改善も大切です。適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理などを心がけましょう。

湿痰

湿痰とは?

湿痰(しったん)とは、東洋医学における概念で、体内に余分な水分や脂肪が溜まっている状態を指します。この状態は「痰湿(たんしつ)」とも呼ばれ、身体の代謝が低下し、不要な老廃物が体内に蓄積されることによって引き起こされます。 湿痰の特徴としては、むくみやすい体質や脂っこいものや甘いものを好む傾向があります。また、身体の不快感やしびれ、ニキビなどの肌トラブルも関連しています。湿痰が進行すると、坐骨神経痛やめまいなどの症状を引き起こす可能性があります。 改善方法としては、食生活の見直しや適度な運動が推奨されており、特に昆布やわかめなどの海藻類、大根などの根菜類を積極的に摂取することが勧められています。また、鍼灸による治療も効果的とされています。

  主な症状
 - むくみやすく、水太りの傾向がある
 - 体が重だるい、疲れやすい
 - めまいや頭痛、吐き気がある
 - 痰が多く出る
 - 肌が脂性で、ニキビや吹き出物ができやすい
 - 軟便や下痢になりやすい
 
 原因
 - 水分や冷たいものの摂りすぎ
 - 脂っこいものや甘いものの過剰摂取
 - 運動不足
 - アルコールの過剰摂取

湿痰の養生法

湿痰の改善策?

## 改善策

 1. 食生活の見直し
 - 水分の摂りすぎに注意
 - 脂っこいものや甘いものを控える
 - 海藻類、根菜類、貝類を積極的に摂取

 2. 運動習慣の確立
  - 適度な運動で代謝を上げる
 - ストレッチで体をほぐす

 3. 生活習慣の改善
 - 十分な睡眠をとる 
 - サウナや入浴で汗をかく

 4. 漢方薬の利用
 - 半夏厚朴湯、五苓散などの漢方薬が効果的

 湿痰体質の改善には、日々の生活習慣を見直し、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることが重要です。症状が気になる場合は、漢方専門医や医療機関に相談することをおすすめします。

湿痰の漢方薬


【温胆湯(うんたんとう) 】
 7つの生薬で構成され、痰と余分な水分を除去し、熱を冷ます効果があります。精神症状や消化器症状の改善にも役立ちます。 

【防已黄耆湯(ぼういおうぎとう) 】
 胃腸の働きを改善し、体内の余分な水分を減らすことで、水分バランスを整えます。 

【小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 】
 水様の痰や鼻水に効果があります。 

【苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)】  
水様の痰の改善に用いられます。 

【越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)】 
 水毒の改善に効果があります。 

これらの漢方薬と生活習慣の改善を組み合わせることで、湿痰の症状を効果的に改善することができます。ただし、個人の体質や症状によって適切な漢方薬は異なるため、専門医の診断を受けることをお勧めします。 
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